フルーツ食育コラム(1-2歳) 新奇性恐怖とは?
離乳食を終え、幼児食を食べるようになって多くの食べ物に触れるようになった1~2歳頃ですが、この頃になると好き嫌いをするお子さんが出てきます。
なぜこの時期になると好き嫌いが出やすいのか、またフルーツを使用した1~2歳にオススメの食育法をご紹介いたします。
1~2歳特有の好き嫌いの理由は?
1~2歳ころにかけて新しい食材を手にしない「新奇性恐怖」という現象が起こります。
手当たり次第何でも食べていると、毒物までも食べてしまうので、生きていく上では必要な力ですが、何のアプローチもしないとそのまま「嫌い」「偏食」に繋がる可能性があります。
新奇性恐怖を乗り越えるためには、その食べ物を10 数回にわたって出す必要があると言われていますが、あまりの拒否反応により、3回程であきらめてしまうことが多いです。
新奇性恐怖が大きい子どもは比較的果物や野菜の摂取量が35%少なく、菓子類の消費が多いとされています。 子どもの頃の食生活は、今後の食生活に影響が出る可能性があり、将来、生活習慣病などになる恐れも出てきます。
そのようなことを防ぐためにも、1~2歳の頃から食育を行い、できるだけ食べ物になじみが持てるように働きかけることが大切です。
参考:食物新奇性恐怖と食生活コミュニケーションが野菜摂取量におよぼす影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshhe/82/5/82_183/_pdf
1~2歳にオススメの食育法
この時期に1番大切なことは、家族や友達など周りの人と食事の楽しい時間を過ごすことです。そこでオススメなのが、フルーツを使った食育です。
フルーツは手軽にそのまま食べられるものであり、子どもから大人、高齢者までも食べやすく、大切な人との楽しい時間を過ごすという点において特に優れています。また、1~2歳はスプーンなどの食具を上手に使い、手先を使う練習、お皿から口までの距離の把握、一口量の把握をする時期です。
このフルーツとスプーンを組み合わせた食育をすることにより、体の成長と精神的な発達の両方からアプローチすることができます。
フルーツ×スプーン食育にオススメのフルーツ
フルーツ×スプーン食育にオススメのフルーツは、キウイとすいかです。どちらもスプーンを使って食べることができ、子どもの成長につながります。キウイとすいかには、子どもに必要な栄養成分が豊富に含まれているので、健康面においても適しています。それぞれ栄養成分についてご紹介します。
キウイ
キウイには食物繊維がバナナの約3倍含まれており、子どもの腸内環境を整えてくれます。腸は免疫機能の大部分を担っており、腸を整えることで、風邪やウイルスに感染しにくい体作りができます。
すいか
すいかは水分量が多く、旬の夏に汗をいっぱいかいたお子さんの水分補給になります。また、β-カロテンが豊富に含まれており、体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは不足しやすい栄養素の1つであり、不足すると成長の停止や知能障害の可能性が高まります。
今回は、1~2歳にオススメのフルーツとスプーンを使ったフルーツをご紹介させていただきました。新奇性恐怖には、大切な人との楽しい雰囲気の中、繰り返してアプローチすることが大切です。ぜひ、お試しください。
記事監修
栄養士コミュニティRAVE代表 吉澤みなみ(株式会社Luck Stream)