蝶結びがおすすめする梨の品種いろいろ

蝶結びがおすすめする梨の品種いろいろ

さまざまな品種がある梨は赤梨と青梨に分類され、それぞれ見た目や味、旬に違いがあります。赤梨、青梨の分類のほかにも和梨と洋梨がありますが、国内で慣れ親しまれている梨のほとんどは和梨です。そんな和梨のなかから蝶結びおすすめの品種もピックアップしてご紹介しますので、梨選びの参考にしてみてください。


色だけではない赤梨と青梨のおいしさの違い

赤梨(イメージ)

青梨(イメージ)

 

赤梨と青梨の違いといえばまず皮の色が挙げられます。赤梨は水分を閉じ込めるための斑点(コルク)が目立ちやすく、ザラザラとした赤みがかった皮が特徴的です。反対に青梨は赤梨ほどコルクが目立たないため、ツルツルとした質感が特徴的な緑色の見た目をしています。

 

違いは見た目だけではありません。赤梨は酸味が少なめで甘みが強く、柔らかいので、糖度が高い果物が好きな方におすすめです。かわって青梨は程よい酸味が感じられるさっぱりとした甘みとシャキシャキとした食感を持つため、爽やかな甘みが好みの方におすすめです。

 

柔らかくて甘い赤梨の代表品種

和梨の中でも歴史が古い「三水」と呼ばれる「幸水」「豊水」「新水」は全て赤梨です。ここからは日本で生産されている梨の半数以上を占める赤梨の代表品種をご紹介します。

 

幸水梨

「幸水」は国内で最も多く生産されている赤梨の代表品種です。1959年に親品種である「菊水」と「早生幸蔵」から一文字ずつとって「幸水」と名付けられました。主な産地は千葉県、茨城県で8月中旬頃から下旬頃に旬を迎える早生種に分類されます。赤梨ですがコルクは比較的目立たず、くすんだ黄金色が特徴的です。糖度が13度前後で酸味が少ないため、甘みの強い梨が好きな方におすすめです。

 

豊水梨

名前の通り、溢れ出んばかりの豊富な果汁が特徴的な「豊水」は1972年に命名登録されました。主な産地は千葉県、茨城県で品種別国内生産量は「幸水」に次いで2番目を誇る赤梨主力品種のひとつです。重さは350gから450gと大きめで表面には均一にコルクが発達しています。13度前後の強い甘みの中に程よい酸味もあり、みずみずしい果汁が楽しめます。9月中旬頃から下旬に旬を迎え、日持ちしやすい点も嬉しい特徴です。

 

新水梨

「菊水」と「君塚早生」を親に持つ「新水」は1965年に命名登録され、かつては「幸水」「豊水」とともに「三水」として人気を博しました。しかし、小ぶりで病気に弱いことから、現在は栽培面積が減少し、あまり出回っていません。しかしそのおいしさは後継品種の「南水」に受け継がれており、人気、知名度を上げています。やからかく多果汁な「新水」は石川県や兵庫県の一部地域のみで栽培されており、最近ではレア度が高い梨といえるでしょう。

 

★南水梨

1990年に「越後」と「新水」を交配して誕生した「南水」は平成生まれの比較的新しい品種です。「越後」との交配で、「新水」の優れた食味を受け継ぎながら、サイズアップと貯蔵性を高めた「南水」は希少価値の高い高級品種に分類されます。全体的に甘みの強い赤梨の中でも15度前後というトップクラスの糖度を持つため、濃厚な甘みを楽しめるギフトとしても喜ばれるでしょう。また旬は9月下旬から10月上旬頃ですが、優れた貯蔵性で年末まで流通するので様々なシーンでの贈り物に対応できます。主な産地は長野県です。

 

 

新甘泉

2008年に品種登録された「新甘泉」は二十世紀梨の産地で有名な鳥取県が約20年がかりで開発した梨界のニューフェイスです。赤梨に分類される「新甘泉」ですが、実は「筑水」と「おさ二十世紀」を親に持つ赤梨、青梨のハイブリッド品種としても注目を集めています。赤梨の強い甘みと青梨のシャキシャキ感をいいとこどりした希少な高級梨として近年人気がうなぎ上りの注目品種です。鳥取県のみしか出荷が許されていないオリジナル品種のため、旬を迎える8月下旬頃から9月頃のみ楽しめるプレミアムな赤梨です。

 

シャキシャキでみずみずしい青梨の代表品種

赤梨に比べると生産量が少なく希少価値の高い青梨ですが、赤梨同様にさまざまな品種が存在します。言わずと知れた二十世紀梨以外にも有望品種が続々と生まれていますので、ご紹介します。

 

二十世紀梨

青梨の王様と言っても過言ではないほど名の知れた「二十世紀梨」は、8月下旬頃に販売が解禁されると、全国の至る所に一斉に出荷される人気品種のひとつです。二十世紀を代表する梨になってほしいという願いのとおり、甘みと酸味のバランスが絶妙においしい食味が老若男女問わず多くの世代に愛されています。比較的、形の整った球体は黄緑色に色づき、見た目も味も爽やかな青梨です。シャキシャキとした食感が楽しく、噛めば噛むほど溢れ出る果汁が多くの人を虜にしています。

 

香梨

「新興」と「幸水」を交配して誕生した「香梨」は日持ちの悪さや落下しやすい欠点から、1975年に試験中止となり、実は正式な品種登録はされてない梨です。しかし、当時試作をしていた農家が今日に至るまで栽培を継続、香りや味がいいことから知る人ぞ知る幻の青梨として密かに流通しています。また、サイズが大きいのも特徴で、大きなものは1kgもの大きさに成長します。酸味の少ない上品な甘みとやや粗めでみずみずしい肉質を持ち、食べ応えのある青梨です。9月中旬頃から9月下旬頃に旬を迎えますが、流通量は極めて少なくなく、まさに幻の青梨です。

 

なつひめ

「筑水」と「おさ二十世紀」を親に持つ「なつひめ」は、「新甘泉」の姉妹品種にあたり、鳥取県のブランド梨として大々的に出荷されています。鮮やかな黄緑色の実は350gほどの重さで、糖度は「二十世紀梨」よりもやや高めです。青梨の中でも8月中旬頃から9月上旬頃に旬を迎える早生種で、夏の時期から楽しむことができる品種です。鳥取県以外の地域では作られていないため、希少性が高く、「新甘泉」と並んで注目されている次世代梨です。

 

秋麗梨

2003年に品種登録された「秋麗」は「幸水」と「筑水」を親に持つ青梨で、8月中旬頃から9月上旬頃まで出回ります。主な産地である熊本県では県をあげてブランド化を推し進めており、各地でPRが行われるほどです。やや扁平な形の「秋麗」は甘さを出すために無袋栽培が主流となっており、その影響で皮全体にサビが出やすくなっています。ただその分、糖度は13度前後と高いので滑らかな肌触りの中で、濃厚な甘みを堪能できます。

 

菊水梨

「二十世紀梨」に代わる品種を目指して誕生した「菊水」は、食味こそ優れていたものの一本の木からとれる量が少なく、日持ちも悪いことから現在ではあまり出回っていません。しかし、交配親としては数々の有望品種を生み、日本一の生産量を誇るあの「幸水」も「菊水」を親に持ちます。ほかにも「菊水」の孫品種に当たる品種として「豊水」や「南水」が生まれており、強い甘みと絶妙な酸味は多くの梨に受け継がれています。旬は8月下旬頃から9月中旬頃で、主な産地は大分県、愛媛県ですが、市場に出回る期間は非常に短く、流通量もごくわずかです。

ぜひ皆さんのお気に入りを見つけてください。 

★は蝶結びで今年取り扱ったおすすめ品種です。