ぶどう表面の白い粉、ブルームについて

ぶどう表面の白い粉、ブルームについて

ぶどうの皮表面に見られる白い粉のようなもの。よくわからない、食べても大丈夫なのかなど、気になる方も多いのではないでしょうか。

あの白い粉は「ブルーム」とよばれるもので、食べても安全なものです。
それだけでなく、ブルームはぶどうが新鮮な証拠でもあります。

ブルームとはいったい何なのか、ブルームの役割や分泌のしくみ、なぜ新鮮なぶどうの証拠となるのかなどブルームについて詳しくみていきます。

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ぶどうが分泌する天然物質 ブルーム

ぶどうの表面には、白い粉のようなものがついていることがあります。
汚れや農薬、カビを心配して洗い流す方もいらっしゃるかもしれません。

この白い粉の正体は「ブルーム(果粉)」といい、ぶどう果実の表面から分泌される天然の蝋(ろう)物質です。

敬遠されてしまうこともあるブルームですが、実は新鮮なぶどうであることを教えてくれる証拠なのです。

蝋物質であるブルームは、簡単にいうと、ブルームは天然のワックスのようなはたらきをしています。
雨露など果実表面につく水をはじき、病気を防ぐほか、果実内部から水が失われることを防いでいます。
ぶどうは、自分自身を守るためにブルームを分泌しているのです。

ブルームは日がたつと少しずつ失われ、鮮度は落ちてしまいます。
また、ぶつけたりこすったりしても簡単に取れてしまいます。

ブルームにまんべんなく包まれたぶどうは、しっかりと鮮度を保ち、また、農家の方に丁寧に管理されたぶどうなのです。

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ブルームが分泌されるしくみ

ブルームは、成熟にともなって皮(果皮)の表面に分泌されて出てきます。
光沢をもっていたぶどうは、成熟が進むにつれて次第にブルームに包まれ、白っぽい粉をふいたようになっていきます。

では、ブルームはどのようなしくみで分泌されるのでしょうか。

ぶどうに限らず、植物のからだの表面、一番外側の部分にはクチクラとよばれる層があります。
クチクラは骨格となるクチンとよばれる物質と蝋(ろう)物質でできていて、クチンの間を蝋物質が埋めているような構造になっています。

ブルームは、蝋物質がクチクラの内側から押し出され、針状・棒状になって表面に突き出ているような状態で、これが白い粉のように見えているのです。

ブルームの成分

ブルームの正体である、果皮表面に出てきた蝋物質。

この蝋物質はぶどう自身がもつ酵素によって合成され、抗菌・保湿の効果がある主成分のオレアノール酸が、ぶどうを守ってくれています。

オレアノール酸をはじめブルームの主成分は無害で安全です。

たとえばオレアノール酸からはアンチエイジングの効果等も発見され、オレアノール酸を配合した化粧品やサプリメントも開発されており、生活の中にも役立てられています。

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ブルームは食べても大丈夫

ブルームは、洗い流さずにそのまま食べても、洗い流してもどちらでも大丈夫です。

ブルームは人体に無害な物質なので、そのままでも安心して食べていただけます。
「なんとなく苦手」、「ブルーム以外の汚れが気になる」など、いろいろな理由で洗って食べたい方は、洗い流していただいてもちろんかまいません。

ポイントは、ブルームを洗い流すタイミングです。

ブルームはぶどうを守るベールのような存在で、鮮度を保ってくれています。
洗い流した状態で保存すると、ブルームを失ったぶどうの鮮度はどんどん落ちていってしまいます。
洗ってブルームを落としてから食べる場合も、食べる直前に洗い流すのがおすすめです。