フルーツギフトの可能性とこれから〜バナナ農家 奈佐貴之さん × 蝶結び店主 杉下峻吾の対談ー後編ー

フルーツギフトの可能性とこれから〜バナナ農家 奈佐貴之さん × 蝶結び店主 杉下峻吾の対談ー後編ー

「京都 はんなりばなな」農家の奈佐貴之さんと「蝶結び」店主の杉下峻吾の対談。前編では、独立起業の裏話で盛り上がりました。

後編では二人が携わる「フルーツギフトの可能性とこれから」について語ります。それでは、続きをどうぞ。

身近なバナナだからこそ、ギフトならではの体験を

バナナと思えない意外性あるビジュアル

ーー国産バナナの中でもさらに希少価値のある「京都 はんなりばなな」。どんなふうに広めて行きたいですか?

杉下:
そうですね。うちはフルーツ全般を扱ってるからいいんですけど、例えばいちごはギフトになりやすいじゃないですか。かわいいらしいし、色ツヤもきれいだし。一方で、バナナは存在が当たり前すぎて、ギフトになりにくい側面があって。逆をいうと、ギフトとしてのバナナはめずらしい。だからこそ「京都のバナナ」として広めていきたいんです。

想像してみてください。1本800円ほどするバナナ、自分で買います? 絶対買わない。だからプレゼントに最適やと思いますね。実は日本人がいちばん食べるフルーツはバナナなんです。そういう意味では、いちばん身近なフルーツで、いちばん希少性を感じられるフルーツなんじゃないかと思いますね。

こうなったら、手でむくんじゃなくて、ナイフとフォークで食べてもらわなあかんなって思ってます。「メロンと生ハム」のように食べ方の提案がでけへんかなって。キャビアと合わせてみるとか。

奈佐さん:
実は「京都 はんなりばなな」と生ハム、試してみたんですよ。どうなると思います? バナナが生ハムの塩気を消してしまうんですよ、甘すぎて。でもデザート以外でも使えるようにしたいなとは思ってるんですよ。

杉下:
おー、それいい! すごいビターなチョコレートとバナナと合わせるとか。バナナの糖度を活かしたプレミアムな創作料理を見てみたいな。

ーー逆に完熟前のバナナとはどうなんでしょう? 東南アジアでは青バナナを普通に食べるようなので、興味津々なのですが。

奈佐さん:
あんまり食べたことはないですけど、青くさいというのは聞きますね。

杉下:
外国では火を通して食べるっていいますよね。そんなのも日本ではあまり体験できないからおもしろいかも。あと、バナナの葉っぱそのものもめずらしいから、葉っぱとバナナがセットになって届くとうれしいかもしれない

岡山産の桃でいうと、葉っぱつきの桃ギフトがあったりするんですよ。あと3月には「今年も無事に桃の花が咲きました。今年も販売よろしくお願いします!」と、挨拶がてら桃の花を産地から送ってくれたりしますね。これ、かなりうれしいです。一般の方にこういうことをやっているのは少数だと思うんですけど、フルーツを商材として扱う僕らの特権ですね。

ーーお花でごあいさつ、素敵な商習慣ですね。お花というと、バナナの花ってどんな感じなんでしょう?

杉下:
バナナの花はインパクトがすごいですよね。めちゃくちゃ大きいし南国感があって、びっくりしますよ。


垂れ下がった薄紫色のものがバナナの花。花の奥に小さなバナナの房が見える

奈佐さん:
ははは(笑)。僕はもう見慣れてしまったんで、葉っぱにしてもみなさんの感想が新鮮ですね。そうか、ギフトにするんだったら、小さな葉っぱを添えてみるのもおもしろいかもしれないですね。

フルーツギフトの背景にある、世界でたったひとつのストーリー

ーー蝶結びのギフトに「京都はんなりばなな」も仲間入りします。奈佐さんは今でこそバナナ栽培に携わっていますが、その前はフルーツギフトを送ったことはありますか?

奈佐さん:
友だちの家に遊びにいったときに手みやげとして買ったことはありますね、たまたま入った百貨店とかで。

最近は、周りの友だちも結婚しだして、子どももうまれて。で、子どもって基本フルーツが好きじゃないですか。だから友だちに渡すっていうよりも、子どもの好きなフルーツを持っていくっていうような感じで買っていましたね。

杉下:
子どものツカミはOKっていうね。

ふたり:(爆笑)

ーーでは、蝶結びの第一印象はどうでしたか?

奈佐さん:
お祝いに特化しているフルーツギフト屋さんっていうのは他にあまり知らないので、直感でいいなって思いました。結婚祝いや出産祝いから、誕生日プレゼントにいたるまで幅広いなお祝いの形にこたえられるギフトって最高ですね。

杉下:
そうなんですよ。前はちょっとイレギュラーなんやけど、「すいかをいれたフルーツセットはできますか」というお客様がチャット相談にこられて。商品ページにはないんやけど、ご希望があれば僕はもちろんおこたえします。このときはすいかとマンゴーとみかんだったかな、そのセットを送って。後日もう一度「またすいかを送ってもらえますか?実は、母親が末期がんで闘病中で、『何を食べたい?』って聞いたらすいかって答えたので、食べさせてあげたいんです」と。

またちょっとしたらチャットで連絡くださるんです。「母は亡くなったんですけど、最後にすいかを食べられてとても喜んでいました。ありがとうございました。」と。僕も2年前の祖母の危篤のときに「季節外れだけど、最後にすいかを食べさせてあげたい」って同じようなことで相談したことがあるから、そのお話もチャットでさせてもらって。

それをきっかけに、また他のご用途でご注文いただいたりしますね。サイトにはお祝いごとが全面には出てはいるんですけど、個別相談でいろいろなギフトストーリーが背景にはありますね。

ーー「京都 はんなりバナナ」も“とっておきのバナナ”として、こんなふうに紹介できるといいなと思います。

奈佐さん:
たしかに、闘病中のエネルギー源といえばバナナですよね。ダイエットにもいいし。

杉下:
そうそう、最後に食べるフルーツっていう位置づけでなくていいもんね。蝶結びでよくあるのが、「◯◯ちゃんといえば、いちご好き!」「▲▲さんは、大の桃好き!」っていうふうに、この人はこのフルーツっていうキャラづけが、女性のお友だちの間では特にあるみたいで。大のバナナ好きも絶対にいるはずなので、そういう人たちに「京都 はんなりばなな」を届けられるようにできるといいなって思ってます。

農家と連携しているからこそ、オリジナルギフト提案も

インパクト大のバナナの房。全体で50kg近くになるのだとか。

ーー一部のツウの人たちや子どもたちには、大きな房のままプレゼントという形もいいなと、素人考えで思ったのですが。

杉下:
あー、「ハンド」ね。確かに普段見かけないし、インパクトがあっていいかも。でも大きな房のままだと、大小の果実がミックスされてるから難しいかな。

奈佐さん:
そうなんですよ。マグロのように大トロと中落ちみたいな感じで、ランクをつけて1本1本選別しないといけないから。

杉下:
蝶結びとしては、基本的には最高品質の1本1本のものを取り扱います。でももちろん希望があれば、奈佐さんに相談して、ハンドの状態で準備してもらえるのかとか、農園見学もセットでギフトにできないかとか、オリジナルギフトの提案はさせてもらえるかなって思ってます。

奈佐さん:
いいですね。相談があればぜひとも。

ーー農園見学もセットになったギフト、魅力的ですね。子どもが特に喜びそうです。

杉下:
うちの保育園の子どもは全然興味なかったですよ(笑)。僕も子どもの頃、植物園の見学とかつまらなくて苦行でした。

奈佐さん:
ははは!そうなんですよ、親御さんはね、子どもにバナナ畑を見せたがるんですけど、テンション高いのは子どもより大人なんです(笑)。もし農園ツアーをやるとしたら、大人向けになるかもしれないですね。

バナナは当たり前。だからこそ、ギフトになるとおもしろい

「京都 はんなりばなな」の個包装は、プチギフトにも最適。

ーーバナナは基本常温配送ですよね。蝶結びのフルーツはクール便が多いんですが。フルーツセットの中に1本というのは難しそうですか?

杉下:
そうなんですよね。バナナを1本いれるとすると常温便になるので、季節のフルーツセットの場合はどうしたらいいかなと考えているところです。

試しにクール便で2~3日ほど輸送してもらって、バナナの状態を確認してみてもいいかもしれないですね。常温便であれば、りんごとセットで秋冬限定でという売り方もありかも。

奈佐さん:
うちのバナナギフトのいいところは、プレゼントに持っていくと話題がうまれることかなって思うんです。「京都のバナナやで」っていうひとつの話のネタになるかなと。シャインマスカットをもらうとしたら、ギフトという意味合いではよくあるものじゃないですか。

杉下:
メロンとかね。

奈佐さん:
そうそう。昔から進物に使われているフルーツは「ありがとう」だけで終わりがち。でもうちのバナナは、バナナなのにおしゃれな箱とパッケージに入っていて「なにこれ?」って思わずツッコみをいれてしまうような。

杉下:
当たり前の、庶民的なフルーツやから、余計にびっくりするよね。

奈佐さん:
バナナが1本1本包装されてるって、普通はありえないですからね。より高級感を感じてもらえるかなとは思います。普通のバナナなのに「どうやって食べたらええの?」と、なぜか聞いてしまう不思議なギフトです(笑)

杉下:
今からお客さんの反応が楽しみですね。インスタライブね、奈佐さん、やりましょう! オンライン農園ツアーとか、僕がナイフでバナナ食べたり。あ、優雅に食べる練習をしとかんとあかんね(笑)

ゆくゆくは、京都のものだけを集めたセットをつくりたいですね。

奈佐さん:
京都限定セット、おもしろいですね。仲間に入れてもらいたいです。

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フルーツギフトの可能性と未来についてたくさん語った奈佐さんと杉下。これにお客様のアイデアがあると、もっとおもしろいものがうまれそうです。

京都府亀岡発の「京都 はんなりばなな」、蝶結びで取り扱っています。定番だからこそプレミアムなものは喜ばれます。ぜひ大切な人に贈ってみてくださいね。そして、その受け取った方の反応をこっそりと教えていただけるとうれしいです。


左から「京都はんなりばなな」齋藤隆太さん、
「蝶結び」店主 杉下、「京都はんなりばなな」奈佐貴之さん

「京都 はんなりばなな」販売ページhttps://www.retrospect.co.jp/products/hannari-banana