管理栄養士監修|梨の栄養と効能を紹介
夏から秋にかけて旬を迎える梨。「栄養がない」なんて噂もあるようですが、梨にも複数の栄養素が含まれています。
記事の中で梨の栄養素についてくわしく解説します。梨の魅力が詰まっているので、ぜひ参考にしてください。
梨の栄養成分
梨の気になる栄養成分は次の通りです。
生の日本梨
缶詰の日本梨
※100gあたり
※参考:文部科学省「食品データベース」
ミネラルやビタミン、食物繊維など複数の栄養素が含まれていると分かりますね。梨を食べるなら栄養価の高い生がおすすめ。記事では生の梨に注目して紹介をしていきます。
梨の効能
梨の栄養素がどのような効能をもつのか確認していきましょう。
具体的には、以下の5つです。
- エネルギーになる
- たんぱく質・糖質の代謝をサポートする
- 疲労の回復を促す
- 浮腫みを予防する
- お腹の調子を整える
順に解説します。
エネルギーになる
梨は糖質を含んでいるので、体を動かすエネルギー源になります。1玉300g前後の梨で、だいたい220kcalです。
梨はシャリシャリとした独特な食感やほんのりと感じる酸味によって、低カロリーなイメージがあるフルーツ。実際は梨1玉でみかん5玉分くらいのカロリーがあるので、ちょうど良い量で楽しむことをおすすめします。
たんぱく質・糖質の代謝をサポートする
梨は代謝を支えるビタミンB1やB6、ナイアシンを含みます。これらは三大栄養素の糖質・たんぱく質・脂質を体で利用するときに活躍するビタミンです。
またアスパラギン酸にも注目。アスパラギン酸は腸内細菌がたんぱく質を分解するときに出るアンモニアの代謝をサポートします。
疲労の回復を促す
梨が含むアスパラギン酸は、運動の後に感じる疲労感を軽減する力もあります。乳酸は筋肉の疲れを感じさせる物質。乳酸の代謝をサポートするので、アスパラギン酸は疲労回復を促すと言われているのですね。
浮腫みを予防する
梨は浮腫みの予防をサポートします。体の水分量を調整するカリウムを含むからです。カリウムは、塩分のもとになるナトリウムの排泄を促す作用があります。
ナトリウムとカリウムのバランスが良くなれば、浮腫みや血圧の状態を健康に維持しやすくなります。
お腹の調子を整える
梨はお腹の調子を整える食物繊維も含んでいます。水溶性・不溶性の両方をバランス良く含んでいるので、ほかのフルーツ同様、腸内環境を整える働きが期待されます。
とくにお肉やお魚など動物性のたんぱく質を食べ過ぎた翌日など「なんだかお腹が重たい…」というとき、梨を食べるとリセットしやすくなるでしょう。
「梨は体に悪い」はウソ!妊婦さんも食べて大丈夫。
梨は体に悪いなんていう噂もあるようですが、ちょうど良い量を食べる分にはまったく心配ありません。妊婦さんのおやつや軽食にもおすすめです。
理由を説明していきますね。
8月から旬を迎えるフルーツはどれも同じような栄養価
※100gあたり
※文部科学省「食品データベース」
梨は同時期に旬を迎えるフルーツと比べても、栄養価が同じくらい。特別に梨の栄養素が少ないわけではないと分かりますね。
また梨をはじめ、夏に旬を迎えるフルーツは身体を冷やすとも言われますが、食べ過ぎなければ大丈夫です。
妊婦さんのおやつにもおすすめ
「梨って妊娠中も食べていいのかな?」と気にされている方も多いでしょう。梨はさまざまな栄養素を含んでおり、妊婦さんが経験しやすい浮腫み・こむら返り・便秘などをサポートします。
カロリー・糖質も適量にとれるので、1日1/2個くらいを目安におやつや食後のデザートにおすすめです。市販のお菓子を食べるより、ずっと体にやさしいですよ。
日本梨と洋梨の栄養素の違いは?
日本梨と洋梨の栄養素の違いをチェックしてみましょう。まずは気になる栄養素を比べていきます。
日本梨と洋梨の気になる栄養素一覧
洋梨の方が少しだけ糖質が多く、アスパラギン酸の量は少なくなります。カリウムはほぼ同じで、食物繊維は洋梨の方が2倍近く多いことが分かります。
日本梨と洋梨、迷ったら好きな方を食べてOK
日本梨と洋梨、どっちを食べようかと迷ったら目的にあわせて考えてみましょう。
例えば、
- お腹の調子を整えたい→洋梨
- カロリー・糖質が気になる→日本梨
- あっさりした味が好き→日本梨
などです。日本梨なら1/2個、洋梨なら1個くらいを1日に食べる目安とし、ちょうど良い量を食べることをおすすめします。
梨の栄養まとめ
梨はビタミンやミネラルなど、さまざまな栄養素を含んでいます。夏に旬を迎えるフルーツの仲間で体を冷やすとも言われますが、食べ過ぎなければ大丈夫。
1日1/2個くらいを朝食や3時のおやつ、軽いウォーキングの後の水分・糖分を補給するのにもおすすめです。
日本梨と洋なしもそれぞれ美味しいので、旬の時期だけのフレッシュな味を楽しんでくださいね。